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2)動揺暴露実験
船体動揺模擬装置によって可能な動揺モードは、上下揺れ(±450mm)、横揺れ(±20deg)、縦揺れ(±10deg)である、本研究においては、年度によって動揺モードを変更して動揺暴露実験を行った。各年度実験の動揺条件は以下の通りである。

 

表2.2.3−2動揺暴露実験の動揺モード

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動揺暴露中の被験者には以下の条件を課した。
?動揺暴露中は、前面のスクリーンに投影される映像を直視する。
?身体、特に頭部は動かさず、安定状態を保つ。
?5分毎に音声通話装置を用いて行われる、心理状態、生理状態に関する質問に答える。また、実験中止条件として、
?嘔吐すれば直ちに実験を中止する。
?被験者からの強い要請の場合にも実験を中止する。

 

実験の手順は以下の通りである。

 

?動揺模擬装置を設置したテント内で、重心動揺計を用いて平衡機能検査を行う。
?航空機座席に着席状態で、心電計を用いて心電図計測を行う。
?着席状態で血圧、脈拍、体温測定を行う。
?保健室(大阪府立大学構内、動揺模擬装置からの距離約100m)において、採血、採尿を行う。
?被験者はキャビンに搭乗、着席し、頭部に脳波計測用、両手首に心電図計測用の電極を装着する。
また、鼻の下に、呼吸計測用の温度センサーを取り付ける。脳波計測の電極は国際式電極配置法(10−20法)に基づいて装着し、基準電極は両耳朶に、アース電極は額に取り付ける。?キャビンの扉を閉じて被験者を外部と遮断し、心理計測用のアンケートを実施する。(以下の計測はキャビンを密室状態にして行う)
?回答終了後アンケート票を回収する、この時、室内温度、湿度を記録。
(この時までに、ビデオ装置、赤外線温度計の調整を済ませておく)
?閉眼安静、開眼安静状態の被験者の生理計測として、脳波、心電図、呼吸を1分間計測。脳波計測は動揺暴露前の閉眼安静から実験終了時の安静状態まで連続計測。
?安静時の生理計測終了後、被験者に動揺暴露中の注意事項を口頭で伝えながらシミュレータを動揺開始位置にセット。

 

 

 

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